「AIに個人情報を入れたら、大変なことになった」——。
そんなニュースやSNSの投稿を見て、ドキッとしたことはありませんか。
便利だからつい何でも打ち込んでしまうけれど、「これ、入力して大丈夫だったのかな」と不安になる。
実は私も、使い始めのころに勢いで実名や勤務先を入力してしまい、あとから「今のはまずかったかも」とヒヤッとした経験があります。
でも、安心してください。
AIは、正しく線引きを持てば、怖がらずに普通に使えます。
大事なのは「何を入れてはいけないか」を具体的に知り、「消さずに安全に聞く方法」を覚えることです。
この記事では、非エンジニアの会社員目線で、AIに入力・質問してはいけないことを具体リストで整理し、仮名で安全に聞くコツまで持ち帰れるようにまとめました。

結論:AIには「あとで困る情報」を入れない・聞かない
先に、判断の軸を1つだけお伝えします。
AIに何かを入力する前に、こう問いかけてください。
「これが外に出たら、困る情報かな?」
これだけです。
住所、パスワード、他人の名前、会社の未公開の数字——外に出たら困るものは、入れない・それを前提にした質問をしない。
逆に、外に出ても問題ない一般的な相談なら、気にせず聞いて大丈夫です。
なぜここまで気をつけるかというと、AIに入れた内容は、学習に使われたり、思わぬ形で外部に残ったりする可能性があるからです。
「絶対に漏れる」わけではありませんが、“戻せない”のがこわいところ。
だからこそ、入れる前の一手間が効きます。
この記事の残りでは、「入れてはいけない具体リスト」「危ない聞き方」「安全な言い換え」の順で見ていきます。
AIに入力してはいけない情報リスト
まずは「これは入れない」という具体的なリストです。
大きく4つのグループに分けて覚えておくと、迷いません。
①自分の個人情報
氏名(フルネーム)、住所、電話番号、メールアドレス、生年月日、そしてマイナンバー。
これらは、単体でもあなたを特定できてしまう情報です。
「私の名前は〇〇で、△△市に住んでいて…」と自己紹介から始める必要はありません。
AIは、あなたが誰かを知らなくても相談に答えられます。
②認証・お金の情報
パスワード、クレジットカード番号、銀行の口座番号、暗証番号。
ここは絶対に入れてはいけないグループです。
「カードの使い方を聞きたい」だけなら、番号そのものは要りません。
聞きたいのは”やり方”であって、”あなたの番号”ではないはずです。
③他人の情報
同僚・顧客・家族など、自分以外の人の個人情報も入れてはいけません。
「取引先の田中さんが…」と実名で相談すると、他人の情報を勝手に渡すことになります。
自分の情報以上に、他人の情報は慎重に。
これは、相手への責任の問題でもあります。
④会社の機密情報
未公開の売上・数字、取引先名、社外秘の資料の中身、開発中の情報。
これらは、あなた個人の判断で外に出していいものではありません。
会社の情報をAIに渡す前の具体的なチェックは、会社の情報をChatGPTに渡す前に必ずやる5つの安全チェックで詳しくまとめています。
この4つに共通するのは、「外に出たら、自分や誰かが困る」という点。
冒頭の軸「これが外に出たら困る?」
に当てはまるものは、すべてこのリストの仲間だと考えてください。
情報だけじゃない、「聞き方」に潜む落とし穴
気をつけたいのは、「入力する情報」だけではありません。
質問のしかたにも、うっかり個人情報を渡してしまう落とし穴があります。
うっかり状況を全部話してしまう質問の型
AIに相談するとき、つい丁寧に背景を説明したくなります。
「よりよい答えが欲しいから」と、状況を細かく書く。
その気持ちはわかりますが、ここに罠があります。
背景を詳しく書くほど、実名・地名・勤務先・家族構成などが自然と混ざっていくのです。
情報を1つずつ見れば大丈夫でも、組み合わさると個人が特定できてしまうことがあります。
「私の場合」で実名・病名・年収が混ざる例
たとえば、こんな相談です。
「私は〇〇市の△△(実名の会社)で経理をしていて、年収は450万、最近□□という持病があって…」
一見ふつうの相談ですが、勤務先・年収・病名・住んでいる地域が一度に入っています。
これらが組み合わさると、かなりの精度で「あなた」が浮かび上がります。
聞きたいのは「経理の効率化のコツ」や「体調管理の一般論」のはず。
だとしたら、実名も年収も病名も、本当は要りません。
ポイントは、情報を”足しすぎない”こと。
「詳しく話す=いい答え」ではなく、“聞きたいことに必要な分だけ”話す。
これだけで、リスクはぐっと下がります。
次の章で、その”必要な分だけ”にする具体的なテクニックを紹介します。
消さずに守る:安全に聞くための言い換えテク
「じゃあ、詳しく相談できないの?」
——そんなことはありません。
ちょっと言い換えるだけで、個人情報を伏せたまま、ちゃんと相談できます。
AIを使うのをやめるのではなく、”守りながら使う”のがコツです。
実名は仮名に置き換える
自分や他人の名前、会社名は、仮の名前に置き換えて聞きます。
- 「田中さん」→「Aさん」
- 「株式会社〇〇」→「ある製造業の会社」
- 「〇〇市」→「地方都市」
これだけで、答えの中身はほとんど変わらず、特定リスクだけが消えます。
私はこの「仮名に置き換える」を習慣にしてから、相談のハードルが一気に下がりました。
数字はぼかす/固有名詞は一般化する
年収や金額、細かい日付などは、ざっくりにします。
- 「年収450万」→「一般的な会社員の収入で」
- 「7月14日に」→「先日」
- 商品名や型番→「ある家電」「あるアプリ」
聞きたいのは一般的なアドバイスなので、正確な数字がなくても答えは十分もらえます。
一時チャット・メモリオフを併用する
言い換えに加えて、そもそも覚えさせない設定も合わせると安心です。
デリケートな相談は「一時チャット」で、または「メモリをオフ」にして話す。
こうすれば、話した内容がAI側に残りにくくなります。
設定のやり方は、ChatGPTに覚えられたくない|メモリの消し方とオフ設定にまとめています。
「消して守る」より、「最初から入れずに守る」ほうがずっとラクで確実です。
言い換えは、そのための一番かんたんな技術です。

もし入れてしまったら(あわてず対処)
「もう入力しちゃった…」というときも、あわてなくて大丈夫です。
やることは決まっています。
順番にやれば、リスクは減らせます。
- まず落ち着く:一度入れたからといって、すぐに何かが起きるわけではありません
- 会話履歴とメモリを消す:入力した会話を削除し、メモリに残っていれば個別削除する
- 必要なら削除依頼を出す:気になる場合は、運営に情報の削除を依頼できます
入れすぎたと感じたときの具体的な対処手順は、ChatGPTに個人情報を入れすぎた?今すぐやる4つの対処にまとめました。
自分の情報そのものの削除依頼のしかたは、ChatGPTに自分の情報を消してもらう方法|削除依頼の手順をどうぞ。
大事なのは、「入れてしまった」で終わらせず、消す・止める行動につなげることです。
送る前の3秒セルフチェック
最後に、AIに送信する前の”3秒チェック”をまとめます。
送信ボタンを押す前に、この4点だけ目を通してください。
| チェック | 入っていたら要注意 |
|---|---|
| ①実名・住所 | 自分や他人のフルネーム・住所・連絡先 |
| ②数字 | 年収・口座・カード番号・マイナンバー |
| ③他人 | 同僚・顧客・家族など自分以外の情報 |
| ④会社の機密 | 未公開の数字・取引先・社外秘 |
この4つが入っていたら、送る前に仮名やぼかしに置き換える。
慣れれば、本当に3秒でできるようになります。
私の場合:仮名で聞く習慣にしたら怖くなくなった
<実際にやってみて>私は非エンジニアの会社員ですが、AIを使い始めたころ、勢いで自分の実名と勤務先を打ち込んでしまったことがあります。
送信した直後に「あれ、今の情報って残るんだよな…」と気づいて、ヒヤッとしました。
そこから、自分なりのルールを決めました。
相談するときは、名前も会社名も”仮名”に置き換える。
「Aさん」「ある製造業の会社」——たったこれだけです。
やってみて驚いたのは、答えの質はまったく変わらなかったこと。
AIは、私が誰かを知らなくても、ちゃんと役立つ答えを返してくれました。
それからは、デリケートな話は一時チャットに切り替えるのも合わせて習慣にしています。
線引きを持ってからは、「何かまずいことをしているかも」という不安が消えました。
怖くて使えないより、守り方を知って使いこなすほうが、ずっと得だと感じています。
よくある質問
Q. 無料版と有料版で、危険度は違いますか?
A. 入れてはいけない情報は、どちらも同じです。
プランに関わらず、個人情報や機密は入れないのが基本です。
学習に使わせない設定の有無はプランや時期で変わるので、最新は公式の設定画面を確認してください。
Q. 学習させない設定にすれば、何を入れてもいいですか?
A. いいえ。
設定はリスクを下げますが、ゼロにはしません。
「設定したから安心」ではなく、そもそも入れないを基本にしてください。
Q. 会社ではどう使えばいいですか?
A. まず会社のルールを確認するのが先です。
社外秘や取引先の情報は、個人の判断で入れないこと。
判断のチェックは会社の情報をChatGPTに渡す前に必ずやる5つの安全チェックをどうぞ。
まとめ:線引きを持てば、AIは怖くない
最後に、この記事の要点をまとめます。
| ポイント | 中身 |
|---|---|
| 判断の軸 | 「これが外に出たら困る?」で考える |
| 入れないもの | 自分の個人情報・お金/認証・他人の情報・会社の機密 |
| 聞き方の注意 | 背景を足しすぎない(組み合わせで特定される) |
| 守り方 | 実名は仮名・数字はぼかす・一時チャット併用 |
| 入れた後 | あわてず、履歴/メモリ削除・削除依頼 |
AIは、正しく線引きを持てば、日常でも仕事でも心強い相棒になります。
危険性を知ることは、使わないためではなく、安心して使い倒すためです。
今日からできる一歩として、次にAIへ質問する前に、「これ、実名や数字が入ってないかな?」
と一度だけ見直してみてください。
その3秒の習慣が、あなたと周りの人を守る一番の近道になります。
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