「会議の録音をAIに文字起こしさせれば楽になる」——そう分かっていても、いざやろうとすると手が止まりませんか。
この内容、外部のAIに入れて情報は漏れない?
あとで会社に怒られない?
録音そのものも、勝手に録っていいのかどうか。
便利さの裏で、こういう不安はとても真っ当です。
結論から言うと、会議の文字起こしは「入れていいAI」と「入れていい内容」の線引きさえ押さえれば、安全に使えます。
逆に、この線を知らずに全部そのまま貼るのは危険。
この記事では、非エンジニアの会社員が事故らずに会議録音をAI活用するための安全ラインを、セキュリティに慎重な立場から正直に整理します。
※本記事は一般的な注意点の解説です。
実際の可否は必ず勤務先の情報管理ルールに従い、判断に迷う場合は上長や情報システム部門に確認してください。
録音から要約までの手順は録音した会議、文字起こしに何時間かけてる?自動で要約までで、無料ツールと要約プロンプトは会議の文字起こし、無料でどこまで?要約プロンプトも公開で解説しています。
この記事はその「安全編」です。
結論:危ないのは「AI」ではなく「入れ方」
先に要点です。
危険かどうかを分けるのは、次の2つの線引きです。
- 入れていいAIか:会社が契約・許可したツール(社内のTeamsやMicrosoft 365 Copilotなど)は比較的安全。個人アカウントの無料AIに社外秘を入れるのは要注意
- 入れていい内容か:社内の一般的な議題ならリスクは低い。社外秘・個人情報・人事評価などは、そのまま入れない
この2本の線を意識するだけで、事故の大半は防げます。
まず「何が危ないのか」を具体的に見ましょう。

そもそも何が危ない?3つのリスク
漠然とした不安を、具体的な3つに分解します。
| リスク | 何が起きるか | 効く対策 |
|---|---|---|
| ①情報漏洩 | 機密や個人情報が外部サーバーに渡り、管理外になる | 会社許可のツールを使う/社外秘は入れない |
| ②学習に使われる | 入力内容がAIの学習データに使われる設定のことがある | 「学習に使わない」設定をオンにする/オプトアウト |
| ③無断録音のトラブル | 参加者の同意なく録音し、信頼や規則に反する | 録音前にひと言断る/社内ルールを確認 |
ポイントは、①②はツールと設定、③は録音のマナーということ。
順番に線引きしていきます。

「入れていいAI・ダメなAI」の見分け方
同じ文字起こしでも、どのAIに入れるかで安全度は大きく変わります。
- ◎ 会社が契約・許可したツール:社内のTeamsの文字起こし、Microsoft 365 Copilotなど。データが社内・契約範囲で扱われ、比較的安心
- △ 個人の無料AI(設定次第):ChatGPTなどの個人アカウント。学習オフ設定にしたうえで、社外秘を避けるなら実務で使える
- × 出所の怪しいツール:無料をうたう素性不明のアプリ・拡張機能に会社の録音を入れるのは避ける
迷ったら、「会社が用意したものを最優先、個人ツールは学習オフ+内容を選ぶ」。
これが基本姿勢です。
個人情報の扱い全般はAIに個人情報を入れる危険性と正しい使い方を正直に解説もあわせてどうぞ。

「入れていい会議・ダメな会議」の線引き
内容の線引きは、こう考えると迷いません。
| 入れてOK寄り | 入れないほうがいい |
|---|---|
| 社内の定例・進捗共有 | 社外秘・未公開の経営情報 |
| 一般的な業務の議題 | 取引先の機密・契約内容 |
| 自分のメモ・アイデア出し | 個人情報(氏名・評価・健康など) |
判断に迷ったら、「これが外に出たら困るか?」
を基準に。
困るなら入れない、が安全側です。
それでも使いたいとき|ダミー化という裏技
「機密っぽいけど要約はしたい」——そんなときは、貼る前に固有名詞を置き換える(ダミー化)と、かなり安全に使えます。
【貼る前のダミー化ルール】
・社名 → A社、B社
・人名 → 担当者X、参加者Y
・金額 → 実額ではなく「約○○万円」
・固有の製品名 → 自社製品、対象サービス
※置き換えの対応表は、自分の手元にだけ残す
そのうえで、AIには「実在とは無関係」と伝えて要約させます。
次のテキストは、社名・人名をダミーに置き換えた会議メモです。
実在の企業・個人とは無関係です。このまま議事録に要約してください。
・決定事項/ToDo/全体の要約(3行)
<ダミー化済みテキスト>
(ここに貼る)
要点の構造だけAIに任せ、固有名詞は手元で戻す。
これで機密を守りつつ時短できます。
私の場合|「社外秘は入れない」を徹底している
<実際にやってみて>正直に言うと、私は社外秘や取引先が関わる会議は、そもそも外部のAIに入れません。
文字起こしはWeb会議の標準機能で取り、要約が必要なものだけ、内容を選んでAIに回すようにしています。
やってみて実感したのは、「全部AIに任せよう」としないほうが、かえって気楽だということ。
機密が絡む会議は自分でまとめ、差し支えのない定例だけAIに要約させる。
この使い分けを決めてからは、「これ入れて大丈夫かな」と毎回悩む時間がなくなりました。
どうしても機密っぽい内容を扱うときだけ、前述のダミー化をします。
ルールを一度決めてしまえば、あとは迷いません。
会社の情報を扱うときの基本チェックは会社の情報をChatGPTに渡す前に必ずやる5つの安全チェックにまとめています。

事故らないための3ステップ
最後に、今日から使えるチェックです。
- ① 録音前にひと言:「記録のため録音します」と断る。無断録音を避けるだけでトラブルは激減
- ② ツールと設定を選ぶ:会社許可のツールを優先。個人AIなら学習オフ設定を確認
- ③ 内容を選ぶ(迷ったらダミー化):社外秘・個人情報は入れない。使いたいなら固有名詞を置き換える
よくある質問
Q. 会社のTeamsで文字起こしするのは安全ですか?
A. 会社が契約・許可して使っているTeamsやMicrosoft 365 Copilotは、データが契約範囲で扱われるため比較的安全とされます。
ただし最終的な可否は自社のルール次第なので、心配なら情報システム部門に確認しましょう。
Q. ChatGPTの無料版に会議メモを貼っても平気?
A. 一般的な社内の議題で、学習オフ設定にしてあれば実務で使えます。
ただし社外秘・個人情報は避け、必要ならダミー化してから貼るのが安全です。
Q. 録音は必ず同意が必要ですか?
A. 法的な扱いは状況によりますが、ビジネスの場では事前にひと言断るのがマナーであり安全です。
会社によっては録音自体にルールがあるので、社内規定も確認してください。
まとめ
| 線引き | 結論 |
|---|---|
| どのAIに入れる? | 会社許可のツール優先/個人AIは学習オフ+内容を選ぶ |
| どんな内容を入れる? | 社内の一般議題はOK寄り/社外秘・個人情報はNG |
| 機密を扱いたい | 固有名詞をダミー化してから貼る |
| 録音そのもの | 事前にひと言断る・社内ルールを確認 |
会議録音のAI活用は、「危ないから全部やめる」でも「気にせず全部入れる」でもなく、線を引いて付き合うのが正解です。
今日からできる第一歩として、次の会議ではまず「記録のため録音します」のひと言と、入れる内容を選ぶことから始めてみてください。
線引きさえ持てば、AIの時短は安心して受け取れます。
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