「エクセルのこの集計、関数どう書くんだっけ……」——そんなとき、AIに聞けば式を作ってくれます。
でも、ChatGPT・Gemini・Claude、どれがいちばん正確な式を出すのか?
気になりませんか。
そこで、3社にまったく同じ7問を出して、生成された数式が本当に正しく動くかを実際に検証しました。
この記事は、その採点結果をすべて公開する一次データです。
どのAIがエクセルに強いのか、そしてAIの式をそのまま使うと危ない場面まで、非エンジニアの会社員向けにまとめます。
※検証は2026年8月時点。
各AIの出力は日々変わり得ます。
数式はExcel(Microsoft 365想定)で確認しています。

結論:3社とも「正解」は出せる。差は”堅牢さ”と最新関数
先に結論です。
今回の7問では、3社とも実用上は正しい式を出せました。
そのうえで、細かな堅牢さ・関数の新しさで差がつき、総合順位はこうなりました。
| 順位 | AI | スコア(7点満点) | ひとことで |
|---|---|---|---|
| 🥇1位 | ChatGPT | 7.0 | 最新関数を使いこなし、最も堅牢 |
| 🥈2位 | Claude | 6.5 | 手堅いが一部で空白処理に穴 |
| 🥉3位 | Gemini | 6.0 | 正解だが日付指定がやや古風 |
大事なのは、「どれも8割方は正しいが、そのまま信じ切ると危ない問題もあった」という点です。
エクセルの式づくり全般のコツはエクセルの関数、もう覚えなくていい|AIに式を作らせる方法にまとめています。
ここからは、実験の中身を全部お見せします。
実験の方法(誰でも再現できます)
公平に比べるため、3社に一字一句同じプロンプトを渡しました。
前提のシート構成も統一しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象AI | ChatGPT・Gemini・Claude(Opus 4.8) |
| 問題数 | 7問(集計・検索・日付・重複除外・文字列) |
| 前提データ | 「売上」シート(日付/支店/商品コード/数量/金額)+「商品マスタ」 |
| 採点 | ○=正しく動く/△=動くが穴あり/×=誤り |
出題した7問は次の通りです。
どれも会社の集計で実際に出てくる場面ばかりです。
- Q1:支店が「東京」の金額合計(SUMIF)
- Q2:「東京」かつ数量10以上の金額合計(SUMIFS)
- Q3:商品コードから単価を検索(完全一致)
- Q4:日付が2026年8月の件数
- Q5:支店が何種類あるか(重複除外)
- Q6:「山田 太郎」から姓だけ取り出す
- Q7:見つからない時「該当なし」と表示

採点結果を全部見せます(3社×7問)
結果はこの通り。
○が並びますが、Q4〜Q6で明確に差が出ました。
| 問題 | ChatGPT | Claude | Gemini |
|---|---|---|---|
| Q1 合計 | ○ | ○ | ○ |
| Q2 複数条件 | ○ | ○ | ○ |
| Q3 検索 | ○ | ○ | ○ |
| Q4 日付 | ◎ | ○ | △ |
| Q5 重複除外 | ◎ | △ | △ |
| Q6 文字列 | ◎ | ○ | ○ |
| Q7 エラー処理 | ○ | ○ | ○ |
Q1〜Q3・Q7は3社ほぼ同じ答えで、実務上まったく問題ありません。
勝負を分けたのは、Q4(日付)・Q5(重複除外)・Q6(文字列)の3問でした。

差がついた3問を解説
ここが今回の実験のいちばんの見どころです。
同じ問題でも、AIによって”選ぶ関数”が違いました。
Q5 重複除外:ここで一番差が出た
「支店が何種類あるか」を出す問題。
ChatGPTだけが、空白セルを除いてから数える式にしていました。
【ChatGPT】空白に強い(◎)
=COUNTA(UNIQUE(FILTER(売上!B2:B1000,売上!B2:B1000<>"")))
【Claude / Gemini】空白があると1多く数える(△)
=COUNTA(UNIQUE(売上!B2:B1000))
下の式は、指定範囲に空欄があると「空白」も1種類としてカウントしてしまい、答えが1多くなります。
実際の表はデータ行に余白があることが多いので、これは地味に危ない落とし穴です。
Q4 日付:指定の仕方に個性が出た
【ChatGPT】最も堅牢(◎)
=COUNTIFS(売上!A:A,">="&DATE(2026,8,1),売上!A:A,"<"&DATE(2026,9,1))
【Gemini】文字列で日付指定(△・環境依存しやすい)
=COUNTIFS(売上!A:A,">=2026/8/1",売上!A:A,"<=2026/8/31")
ChatGPTの「9月1日より前」という指定は、月末が30日でも31日でも、時刻が入っていても正しく数えられます。
Geminiの文字列日付は、PCの地域設定によっては誤作動することがあります。
Q6 文字列:新しい関数を使えるか
【ChatGPT】最短(◎)
=TEXTBEFORE(A1," ")
【Claude / Gemini】昔ながらの書き方(○・これも正解)
=LEFT(A1,FIND(" ",A1)-1)
どちらも正解ですが、ChatGPTは新しいTEXTBEFORE関数で一発。
知っていると式がぐっと短くなります。

じゃあ会社員はどう使う?正確に使う3つのコツ
今回のいちばんの学びは、「AIの式は8割正しい。
でも、そのまま信じない」ことです。
どのAIを使うにせよ、次の3つを守れば安全に使えます。
- 必ず"検算"する:AIの式を貼ったら、少ないデータで手計算と一致するか確認。特に件数・重複除外は要注意
- 前提を正しく伝える:列の位置・データ範囲・空白の有無を伝えるほど、式の精度は上がる
- 迷ったら2社に聞く:同じ問題を2つのAIに出して式を見比べると、穴に気づきやすい
AIは「嘘」も自信満々に出すことがあります。
その見抜き方はAIはどこで嘘をつく?3つに罠を仕掛けたら「出典」が危ないもあわせてどうぞ。
私の場合:AIの式を"検算"して助かった
<実際にやってみて>私は非エンジニアの会社員ですが、今回この3社比較を実際に手を動かして検証しました。
正直、始める前は「どうせ全部同じ答えでしょ」と思っていました。
ところが、Q5の重複除外で2社が"空白を1種類"として数えてしまう式を出したのは、意外でした。
もし検算せずにそのまま使っていたら、支店数を1つ多く報告していたところです。
AIは9割方すごく賢い。
でも、その1割の穴が、そのまま数字のミスになる。
それをこの目で見てから、AIの式は必ず小さなデータで検算してから使うようにしています。
「どのAIが一番か」よりも、「どのAIでも検算はする」——これが今回いちばんの収穫でした。
よくある質問
Q. 結局、エクセルはどのAIを使えばいいですか?
A. 今回は僅差でChatGPTが最も堅牢でした。
ただ3社とも実用レベルなので、普段使っているAIで十分です。
大事な集計だけ、2社に聞いて見比べると安心です。
Q. 新しい関数(TEXTBEFORE等)が使えない環境もありますか?
A. あります。
古いExcelでは動かないことがあるため、その場合は「TEXTBEFOREを使わない式で」とAIに頼めば、昔ながらの式に直してくれます。
Q. 式の意味が分からなくても使って大丈夫?
A. 使えますが、検算はしてください。
意味が分からない式ほど、間違っていても気づけません。
「この式を初心者向けに説明して」と追加で聞くと理解が進みます。
まとめ
| 項目 | 結論 |
|---|---|
| 総合順位 | ChatGPT>Claude>Gemini(僅差) |
| 3社共通 | 基本の集計・検索はどれも正解 |
| 差が出た所 | 重複除外の空白処理・日付指定・新関数 |
| いちばんの学び | AIの式は8割正しい→必ず検算する |
AIはエクセルの式づくりを、確かに劇的に速くしてくれます。
でも今回の実験で分かったのは、「速い」と「正しい」は別だということ。
今日からできる一歩として、次にAIが出した式は、まず5行くらいの小さなデータで検算してみてください。
その一手間が、報告書の数字ミスを防ぐいちばん確実な保険になります。
AI比較・エクセルの関連記事もどうぞ。

